日本のメーカーが大学と協力して開発した新素材の炭化ケイ素繊維が、米ゼネラル・エレクトリック社の最新エンジンに導入されることが発表されました。今後もロケットなど航空宇宙分野や発電機などのエネルギー分野での応用が見込まれています。
スポーツ・レジャー、航空宇宙分野に応用が期待される複合材料用強化繊維
炭化ケイ素繊維とは、ケイ素を含有するポリカルボシランを高温で蒸し焼き(熱酸化)することで不融化処理した後、1200~1500℃で焼成して製造されます。
耐熱性(1800~2000度)、耐酸化性に優れ、電気的特性の制御も可能なことから一般産業、スポーツ・レジャー用品、航空宇宙分野において各種複合材料用強化繊維としての応用が期待されている新素材です。
日本メーカーが開発した最先端の新素材
炭化ケイ素繊維は金属材料に比べ3分の1の軽さと20%も高い耐熱性を備え、1,800度~2,000度の超高温下でも使用できます。
さらに電磁波吸収機能があるため、特に航空機のエンジンパーツや戦闘機など航空宇宙分野での応用が期待されています。
航空宇宙分野に関連した新素材の開発や応用のニュースを見聞きすると、SFの世界が現実になったようにワクワクします。また、この素材は日本メーカーが開発したものであり、技術分野で最先端を行く日本メーカーの技術力の高さを誇らしく感じます。
日本の科学技術を牽引する官民学連携の研究開発
航空宇宙分野は(特にアメリカなどでは)軍事部門との関係性も深く、市場規模も大きく見込まれます。今回の新素材採用が成功をおさめると今後のシェア拡大の足掛かりにもなり、ひいては日本という国の影響力を高めることや国益にもつながるでしょう。
今後もこうした官民学が連携した研究開発が活発となり、成功例が増えていって欲しいですね。
ライター:Ln1 編集:moz