ドーピングはやってはいけない、それが分かっていてもやってしまう人間の気持ちの弱さがあります。それは世界で名声を得たい、賞金を得たい、誰よりも強くなりたいという願望がもたらしています。
IAAFや世界中の政府は、そうしたスポーツ選手の願望に人参を付けて動かしている立場でもあります。ドーピングは選手だけの責任ではなく、今回の世界記録抹消の話も世界中で真剣に検討し憂慮されるべきことなのでしょう。
IAAFは2005年以前の世界記録を消すかもしれない
IAAF(国際陸上競技連盟)の最高責任者オリビエ・ガーズ氏は、過去のドーピング問題に絡めて、2005年以前の世界記録を抹消する考えがあることを述べました。
これは、これまで薬物によるドーピングという、スポーツとは切っても切れない問題の解決策の1つになりうるとのことです。
ドーピングに悩んできたIAAFにとっては、ドーピングによる世界記録というものが、目の上のたんこぶ的な存在だっただけに、実際にいつこのカードを切ってもおかしくありません。
ドーピングの可能性があっても世界記録は世界記録という見方
スポーツにおいて、世界記録の誕生は喜びと興奮に包まれますが、後にドーピングによる世界記録誕生だったと知ると、何だまたインチキかと誰もがガックリ来てしまいます。
だからこそ、スポーツ選手はみんなドーピングまみれの世界記録の抹消には賛成するかと思いました。しかし、選手によってはそれも歴史の一部であるという見方をしています。
世界記録というものは特別な存在であり、たとえドーピングの可能性があるにしても、完全に証明できない限りは残すべきという考えも一理あるかと思います。
世界記録抹消による陸上選手の悲喜こもごもが想像される
IAAFは実際に2005年以前のドーピング疑惑のある記録は、消してしまうかもしれません。そうすると新たな世界記録保持者が誕生することにもなりますし、世界中で記録を誇る国や家族には、それぞれ悲喜こもごもがありそうです。
陸上の世界記録とはほとんど無縁に近い日本人にとっては、この問題はただ見てるだけの話でもあります。
日本から陸上の世界記録が出ることがあれば、こうしたドーピングによる記録の問題も大きな議論の的になるかもしれません。
ライター:taty 編集:moz