生前退位が取りざたされている今上陛下は2018年内で退位され、皇太子殿下が2019年1月1日に第126代天皇に即位されることが政府内部で検討されています。
即位と同時に新元号(一世一元制度による)が使用されますが、それが実現するには皇室典範の改正や国会での承認などの諸々の手続きを経なければならず、今後の紆余曲折が予想されます。新元号は国民にとっても大きな関心事であります。
今上陛下の御体調が優れず、譲位を検討
平成が始まってから約30年ですが、第125代天皇である今上陛下の御体調が優れず、陛下の生前退位、つまり皇太子殿下への譲位が政府内部で検討されています。
今年84歳になられる陛下は、父君であられる第124第の昭和天皇の88歳、それまでの歴代天皇で最長寿であられた第108代の後水尾天皇の85歳(譲位後は上皇)に次ぐ御長寿であられます。
皇太子殿下への譲位が政府閣議で決定し、国会の承認を得られれば明治維新以後最初の生前退位となります。
新元号に切り替わる時期はいつになるか?
新元号制定については様々な憶測が立てられています。1週間で始まって1週間で終わった「昭和」は歴代の元号で最長(世界最長でもある)でありました。
大正天皇の崩御に伴う混乱については、大正16年度のカレンダーが不要となって暦屋が大損害を被った話や、朝日新聞による新元号の誤報(光文事件)などを思い出しました。
新天皇の即位には、解決の必要な問題が山積み・・・
現在、元号を使用している国家は日本だけ(革命暦等は除く)ですが日常の様々な場面で使用されているだけに一般国民にとっても重大な問題です。
まだ正式には決定されていませんが、生前退位による新天皇の即位には様々な解決しなければならない問題が山積しています。
まずは新皇太子の問題です。秋篠宮殿下が立太子されるでしょうが、皇太孫など、戦後の暗黙の了解とされてきた天皇制に関わる諸問題が大きく変わる契機となることは必然でしょう。
なお、元号についてですが、必ずしも2字とは限らない(奈良時代に4字元号5回存在しています)ようですが、「平成」の「平」の字が選ばれたのは「平治」以来、800年振りだったそうです。
「平成」は30年で終わりを告げる・・?
今上陛下の御健康問題は以前から取り沙汰されていましたが、昨年の陛下御自身によって生前退位に対するお気持ちを示されたことから問題は一挙に現実化しました。
御高齢の御身に日常の多忙を極める御政務は激務であり、皇太子殿下が摂政として陛下の代理なされることの方が現実的です。摂政は大正天皇の時代に皇太子裕仁親王(昭和天皇)が就任したのが最後です。
退位を含めて現行の日本国憲法には詳細の規定は無く、皇室典範の改正を含めての手続きが急がれています。
紆余曲折が予想されますが、国会で退位と新元号の件が承認されれば、「平成」は事実上30年で終わることになります。
ライター:anbon 編集:moz