エチオピア人でリオデジャネイロ五輪銀メダリストのフェイサ・リエサ選手は、オリンピック競技中にエチオピア政府に抗議する振る舞いをし、アメリカに亡命した後、エチオピアを出国した家族とアメリカにて感動的な再会をしました。
リオ五輪出場のエチオピア人選手
エチオピア人でリオデジャネイロ五輪銀メダリストのフェイサ・リエサ選手は、エチオピア政府による土地収用問題に抗議した後、アメリカに亡命しました。
オリンピックという全世界の人々がテレビ中継を見ている中、競技中に政治問題を外国に主張するのはとても珍しいです。
エチオピア政府による少数民族弾圧は内政問題にもかかわらず、海外メディアに盛んに取り上げられており、関心を集めています。
政治問題を嫌うオリンピックの競技中に、抗議の振る舞い
オリンピックは政治問題を嫌います。政治問題を主張する選手は出場停止などの厳しい罰則をするほどです。
そんな中、あえてオリンピックの競技中を選んで、エチオピアの政治問題を主張した選手にとても興味を持ちました。
かつてナチス・ドイツによるベルリンオリンピックにて、人種差別に抗議した黒人選手が表彰台で黒手袋を掲げることがあり、歴史の教科書にも取り上げられています。スポーツも政治の宣伝活動の一部であるという寂しい現実を突き付けられた気がします。
その後アメリカに亡命、家族と再会も解決には遠い道のり
アメリカ政府はリエサ選手の主張を認め、亡命させています。リエサ選手の家族も、アメリカ短期滞在ビザで出国しており、家族は再会できました。
人道の観点から感動的な場面として、アメリカのメディアで取り上げられる一方、代表選手として選出したエチオピア政府や多くのエチオピア国民に対する裏切り行為になっており、政治課題は解決していません。
ライター:さとう 編集:moz