北朝鮮の現キム・ジョンウン体制に対して批判的な態度をとり続けてきた、ジョンウン氏の兄であるキム・ジョンナム氏がマレーシアで殺害された。彼は最高権力者の三代世襲に対して批判しており、彼のように政権に対して批判的な幹部たちが次々に粛清されている。今後、北朝鮮の暴走に対して更なる注視が必要だろう。
金正恩氏の腹違いの腹違いの兄・金正男、マレーシアで暗殺される
北朝鮮の最高権力者であり、朝鮮労働党委員長の金正恩(キム・ジョンウン)氏の腹違いの兄である、金正男(キム・ジョンナム)氏が暗殺されました。
彼は前朝鮮労働党委員長である故・金正日(キム・ジョンイル)の息子であり、現在は北朝鮮ではなく海外で暮らしていました。これは北朝鮮国内で政争に巻き込まれないようにするためでしたが、今回マレーシアで暗殺されたことが確認されました。
北朝鮮ではジョンウン氏の最高権力者就任以来、政府高官や軍人の粛清が相次いでいます。
「3代世襲には反対」、父とは違う政治的態度
ジョンナム氏といえば、日本に密入国を繰り返して東京ディズニーランドに何度も行っていたりと、日本のニュースによく登場する人物でした。
彼は海外生活が長いためか、非常に国際情勢に敏感でした。また、最高権力者の座についても、「3代世襲には反対」といった姿勢を取っていたりと、父とは違う政治的態度を取ることが多くありました。
反抗的な態度を取った政府高官や軍人も粛清、北朝鮮への警戒が必要
ジョンナム氏が暗殺されたということは、ジョンウン政権が更なる暴走をする可能性を示唆しています。
ある意味、父とも弟とも違う政治スタンスをとっていた彼が殺されたということは、国内、国外に対しての強硬姿勢を崩すつもりはなく、このまま独裁を続けていく意思表示と取れます。
また、ジョンナム氏に限らず、ジョンウン氏に対して反抗的な態度を取ったとされる政府高官や軍人が粛清され続けています。今後、北朝鮮への警戒を一層強めなくてはならないでしょう。
ライター:syu 編集:moz