幻の名品と言われ続け、国内4点目の存在(前の3点は全て国宝)として中島誠之助氏が出演する『鑑定団』の番組内で「国宝級の発見」との折り紙を付けられた曜変天目の茶碗ですが、それに対し異議を唱える陶芸家が現れました。
単なる真贋論争に留まらず、それまで美術界で常識とされていた見解が覆される可能性も含まれていると思います。
テレ東の看板番組『開運!なんでも鑑定団』、骨董を広く知らしめた立役者の鑑定士・中島誠之助氏
それまで主として好事家の間での楽しみであった骨董を広く世に知らしめたのがテレビ東京の看板番組である『開運!なんでも鑑定団』ですが、陶芸を専門とする古美術鑑定家である中島誠之助氏はその中心的メンバーであられ、今年満23年目を迎える長寿番組に育て上げたのは中島氏の功績による所が大きいのは周知の事実でしょう。
名品・逸品・珍品あるいは廃品など、毎週登場する数々の品物の真贋とその価値を鑑定して面白おかしく解説してくれる楽しい番組です。中島氏の眉目秀麗さと鋭い鑑定眼と博識さがそれに彩りを加えているのは言うまでもありません。
国宝の天目茶碗には、時代の最高権力者達による歴史が
大阪にある東洋陶磁美術館にも天目茶碗は2点(国宝/重要文化財・各1)所蔵されていて、行く度にその姿に見惚れている(常設展示とは限らない)のですが、その争奪に歴史的背景があることを改めて思い知らされた点が興味深いです。
実に小さな品に過ぎない茶碗一つが最高権力者達の権威の象徴として利用されて来た、歴史の奥深さと共にそのどす黒さにも思いが至りました。真贋論争が終わって真作であるという結論に至れば是非、この目で見てみたいと思います。結果が出ることが待ち遠しいです。
歴史的大発見の可能性から大ニュースに!!
国宝級の物品の新たな発見であるなら、管掌官庁である文化庁あるいは文部科学省が調査に乗り出すか否かが現時点では明らかにされていません。
歴史的大発見か、大誤報に終わるかは現時点では微妙な所ですが、人気番組で億を超える評価額、しかも国宝級という評価が下されたということは必然的に大きなニュースとなりました。
ラスター彩は人工的に造れるようになった模様ですが、中国の宋代(中国文化の爛熟期)の物であるならば単なる日本のみならずに世界的な大発見であると言えるでしょう。
ライター:anb 編集:moz